アメリカ・キャピタルゲイン税計算機

2024 年 IRS ブラケットに基づく連邦 CGT(長期・短期)と NIIT(3.8%)を任意で含めて計算。

使い方

アメリカの連邦 CGT には 2 つの体系があります。**長期**ゲイン(1 年超保有)は、申告区分ごとに区切られた優遇税率 0% / 15% / 20% で課税されます。賢いポイントは、LTCG ブラケットが通常の課税所得の上に積み上がる方式である点です。通常所得が既に 0% LTCG 帯を埋めていれば、ゲインは 15% 帯から開始、15% 帯も埋まればその先は 20%。同じ $20,000 のゲインでも、ある申告者では全額非課税、別の申告者では一部 15% という違いが、間の給与の差だけで生まれます。

**短期**ゲイン(保有 1 年以下)は通常の所得税限界税率で課税されます。本ツールでは「(所得 + ゲイン)に対する通常所得税」から「所得単独に対する通常所得税」を引き算してゲインに対する税額を求めるため、ゲインによって新しいブラケットへ押し上げられるケースも自然に扱えます。

さらに**NIIT(Net Investment Income Tax)**が両体系の上に重なります。投資所得(キャピタルゲインを含む)に対する 3.8% の付加税で、Modified Adjusted Gross Income(MAGI)が単身 $200,000、合算 $250,000 を超えた時点で発動します。厳密には「投資所得」と「MAGI のうち閾値を超えた部分」の小さい方が課税ベースですが、ゲインのみを入力する概算ツールでは、閾値超過後はゲイン自体が実質的な対象額となります。本ツールでは控除等で閾値を下回るケース向けに NIIT のオフ切替も用意しています。

州 CGT は本ツールで扱いません — 差が大きく、テキサス・フロリダ・ワシントン・ネバダなど 7 州は 0%、カリフォルニア州は最高 13.3% など。必要に応じて州税率を手動で加算してください。

計算式

長期:税額 = Σ LTCG 帯 × 帯の税率、ゲインは通常所得の上に積み上げ 短期:税額 = 通常税(所得 + ゲイン) − 通常税(所得) NIIT:税額 += min(ゲイン, MAGI − 閾値) × 3.8%(MAGI > 閾値 のとき)

2024 年 LTCG 区切り:0% は $47,025 / $94,050 / $63,000(単身 / 合算 / HoH)まで、15% は $518,900 / $583,750 / $551,350 まで、超過分は 20%。NIIT 閾値:単身 / HoH $200,000、合算 $250,000。「その他の所得」欄には総収入ではなく、標準控除後の課税所得を入力してください。州 CGT、wash-sale ルール、like-kind 交換、適格配当(qualified dividend)の重ね合わせは本ツールでは扱いません。

計算例

  • 単身、通常課税所得 $75,000、長期ゲイン $20,000。
  • 通常所得 ($75k) > LTCG 0% 上限 ($47,025) のため、$20k 全額が 15% 帯に入る。スタックは $95k で終わり、15% 上限 ($518,900) には届かないので 20% 部分はなし。
  • 連邦 CGT = 20,000 × 15% = $3,000。MAGI ($95k) < NIIT 閾値 ($200k) のため NIIT なし。実効 15.0%、手取り $17,000。

よくある質問

なぜ長期税はオール・オア・ナッシングのように見えるのですか?

LTCG ブラケットがスタック構造で、通常所得がどこに位置するかでゲイン開始時に適用される LTCG 税率が決まり、しかも各帯がかなり広いためです。単身で所得 $40,000 なら 0% LTCG 帯($47,025)全部とその上 $518,900 まで 15% の余地が使えます。所得 $48,000 では 0% 帯は使い切られています。同じ投資結果でも税負担は大きく異なり、少額ゲインでは差がまるごと 15% になり得ます — アメリカで珍しい、低所得層の投資家を明確に優遇する規定の一つです。

実際に NIIT が課されるのはどんなときですか?

年間 Modified Adjusted Gross Income(MAGI)が、単身 / Head of Household で $200,000、合算で $250,000 を超えたときです。MAGI は AGI に一部の通常控除項目(主に海外所得控除)を戻したもの。多くの申告者では MAGI ≒ AGI。3.8% は「正味の投資所得合計(ゲイン+配当+利子+賃料 ‐ 認められる控除)」と「MAGI の閾値超過分」の小さい方に適用されます。年収 $300k で長期ゲイン $20k(合算)なら、MAGI 超過 $50k、投資所得 $20k、NIIT 基準は小さい方の $20k、税額 $760。単身 $260k で同額ゲインなら、MAGI 超過 $60k、NIIT 基準 $20k、税額 $760 — 結果は同じで理由が違うパターンです。

損失でゲインを相殺できますか?

はい — 同一税年度内では、キャピタルロスがキャピタルゲインを相殺します。短期損失はまず短期ゲインと、長期損失は長期ゲインと相殺し、余りは相互に振り替えられます。損失合計がゲイン合計を上回る場合、純損失のうち最大 $3,000(married filing separately では $1,500)を通常所得から差し引け、残りは無期限に繰り越せます。30 日以内の買い戻しに対する wash-sale ルールで複雑になりますが、これは単一入力の概算ツールの範囲外です。

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