使い方
複利とは、すでに得た利息にも利息がつく仕組みで、残高は年々加速的に増えていきます。毎月の積立を加えると効果はさらに大きくなり、少額でも長期間続ければ最終的に元本をはるかに上回る金額になります。元本、想定年利、期間、(任意で)毎月の積立額を入力すると、最終残高、利息合計、そして積立元本と運用益の内訳が表示されます。
最も重要な変数は「金利」ではなく「時間」です。よく知られた目安「72の法則」は、72 ÷ 利率(%)でお金が2倍になる年数を概算できます。利率 4%(典型的な普通預金)なら 18年、利率 7%(株式市場の長期平均)なら約 10年、利率 10%(S&P500 の名目長期リターン)なら約 7年で2倍になります。利率 7% で 40 年働けば 4 回倍になる計算で、25 歳で 10,000 ドルを投資すれば、65 歳までに追加積立なしで 160,000 ドルになります。同じ 10,000 ドルを 45 歳から運用すると倍になる回数はあと 1 回しかなく、終値はわずか 40,000 ドル。失った 2 回分の倍化は、その後 20 年間真剣に積み立てても取り戻せない大きさです。
老後資金の計算が容赦なく見える理由はここにあります。1 年遅らせるごとに失われるのは「最後の倍化」で、金額が最も大きい段階です。よく使われる例:A さんは 25〜35 歳まで毎年 5,000 ドルを投資(合計 50,000 ドル)し、その後は何もしない。B さんは 35〜65 歳まで毎年 5,000 ドル(合計 150,000 ドル — A の3倍)投資する。利率 7% で 65 歳時点の残高は両者ほぼ同じ(約 540,000 ドル)。A さんは投入額がずっと少ないのに同じ金額に到達できたのは、初期に入れたお金が多くの倍化を経験できたためです。結論:「将来もっと多く」と「いま少なく」のどちらかしか選べないなら、15 年以上の長期視点ならほぼ常に「いま少なく」が勝ちます。
計算式
FV = 最終残高(将来価値)。P = 元金(最初の金額)。r = 年利を小数で表したもの(7% → 0.07)。n = 1年あたりの複利回数(年1回=1、月複利=12、日複利=365)。t = 期間(年)。C = 1回あたりの積立額(毎月の積立は選択した複利頻度に換算)。積立がゼロの場合は第1項のみで計算されます。
計算例
- 元金10,000ドル、毎月200ドルの積立、年利7%(月複利)、期間10年。
- 10年後、元金10,000ドルだけでも約20,096ドルに増加し、ほぼ倍になります。
- 毎月の積立を加えると、最終残高はおよそ54,800ドル。積立元本合計24,000ドル、利息は約20,800ドル。
よくある質問
複利の頻度は本当に重要ですか?
少しは違いますが、思ったほど大きくありません。10,000ドル、年利7%、10年間で、年複利なら約19,672ドル、月複利なら約20,097ドル、日複利でも約20,136ドルです。年→月の差は出ますが、月→日はほぼ誤差。金利と期間の影響の方がはるかに大きいです。
どれくらいの利回りを想定すれば良いですか?
長期の歴史的平均:分散型グローバル株式で名目約10%/実質(インフレ調整後)約7%、債券は名目約3〜5%、株式60%・債券40%の安定型ポートフォリオで約4〜5%。高金利の普通預金なら現在のAPY(2024年なら年4〜5%程度)を使います。長期計画なら6〜7%が現実的な目安です。
結果はインフレ調整前ですか、それとも後ですか?
名目値、つまりインフレ調整前の金額です。将来残高の実質価値(購買力ベース)を見たい場合は、利回りから想定インフレ率を引いてください。利回り7%、インフレ3%なら、4%で計算すれば現在価値で結果が表示されます。
なぜ複利は「人類最大の発明」と言われるのですか?
この名言の出典は怪しいものの、背景にある数学は本物です。「毎年同じ額を足す」直線的成長は直感的に分かりますが、複利の指数関数的成長はそうではありません。年利7%なら約10年で2倍(72の法則:72÷利率 ≈ 倍になる年数)。40年間の社会人生活では資産が4回倍になり、追加積立なしでも10,000ドルが160,000ドルになります。
「72の法則」はどう使えば良いですか?
72の法則:倍になる年数 ≈ 72 ÷ 利率(%)。利率 6% なら 12年、8% なら 9年、12% なら 6年で倍。逆方向にも使えます — 「N 年で倍にしたいときの必要利率は?」72 ÷ N。8 年で倍にしたいなら 9% の利回りが必要。なぜ「72」かというと、72 は 2・3・4・6・8・9・12 と多くの小さな数で割り切れるので暗算しやすいからです。厳密な式は ln(2)/ln(1+r) で、低利率では 70.0〜70.5、25% では 73 になります。つまり低利率ではやや過小評価、高利率ではやや過大評価です。とはいえ 4〜15% の範囲では誤差は半年以内に収まるため、大まかな見積もりには十分使えます。
APR と APY はどう違いますか?
APR(Annual Percentage Rate、年利)は単純な年率で、年内の複利を含みません。APY(Annual Percentage Yield)は年内に複利を加味した「実際に得られる利回り」です。両者が一致するのは複利が年1回(年複利)の場合だけ。例:APR 6%・月複利の APY は (1 + 0.06/12)^12 − 1 = 6.17%。米国の銀行は預金商品では APY(数字が大きく見える)、ローンでは APR(数字が小さく見える)で表記する傾向があります。比較するときは必ず同じ尺度に揃えましょう。預金・投資なら両方とも APY、ローンなら両方とも APR に揃えるか、両方の形式を扱える計算機を使うと安心です。
複利による利息には税金がかかりますか?
ほとんどの国で「はい」です。利息や投資益は、再投資していても発生した年に課税されるのが一般的。日本では預金利息も投資の運用益も基本的に 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の課税対象です。米国では預金・債券の利息が通常所得として 10〜37%、長期キャピタルゲインや適格配当は 0%/15%/20% で課税されます。ただし税制優遇口座(日本の NISA・iDeCo、米国の 401(k)・IRA・Roth IRA、英国の ISA など)を使えば、複利成長が課税で削られずに済みます。同じ利回りでも、30 年スパンで税制優遇口座と通常口座を比較すると、税引後資産は前者が 25〜35% 多くなることが珍しくありません。理由は単純で、複利が「途中で削られない」だけのことです。本ツールは税引前ベースの成長を表示するため、課税口座をモデル化したい場合は、想定利回りから自分の実効税率分を差し引いて入力してください。